できる営業といえば長年培った信頼関係や巧みな話術、そして毎日靴を擦り減らして歩き回る情熱などのイメージがあると思います。
そう思っていた時期が僕にもありました。
みなさんは物やサービスを購入するときどうやって選んでいますか?または、自分が買ってよかったものを人にすすめたことはありますか?
それでは解説していきましょう。
商材に魅力がなく性能が低い
これが一番つらいです。
どれだけ上手いセールストークでも、どれだけ積み上げた信頼があっても営業する商材に魅力がなかったらどうしようもありません。
僕はメーカーの営業だったので特にこの傾向が顕著でした。
商流を説明すると、メーカー→卸問屋→販売店→お客さん
です。
取引先である卸問屋さんとはある程度関係ができているので、まったく物は売れないということはありません。が、関係ができているからこそ良いものを勧めたい、買って欲しいと思うものではないでしょうか。それが逆に自分を苦しめることになります。
商材に魅力がないと、違う部分で勝負しなければいけません。
巧みな話術や、心理テクニック、コツコツ足を運んで信頼関係を気づくなどが思い付くでしょう。
僕も自社の製品をアピールすべく必死でよい良いところを探したものです。ですが、わかったのは他者の完全な劣化だということだけでした。
もしかしたら劣化品でも売れるすごい営業マンもいるかもしれません。しかし、それで誰が幸せになりますか?僕の場合の商流だと、購入するのは卸問屋さんです。卸問屋さんは販売店さんに、販売店さんはお客さんに売るのが仕事です。
需要の元にいるのはやはりお客さんです、卸問屋さんに上手く売れたとしてそれがお客さんまで続くと思いますか?
答えはNOです。必ずどこかで在庫となり抱えた人を苦しめます。在庫になった経験は確実に次回の購入をしぶらせます。
このように魅力のない商材には限界が来るのが目に見えてます。
10年前とまったく同じ商品、サービスである
技術の進歩が目まぐるしい今の時代に10年前と同じ商品、サービスというのは致命的です。
他者が進化している中でも現状維持は後退しているといって間違いないでしょう。外回りで得意先を訪問していると他者の新製品情報がよく目にしました。
毎年、新商品としてPRできるものがあることが心の底からうらやましかったです。もし新商品の評判が悪かったとしても、しっかり営業としてお客さんの声を受け止め会社に報告すればよいのです。そうした体制があってこそ、改善された製品ができるのですから。
つらかったことの一つに、お客さんの声がされないというのがありました。
営業していれば、「ここをもっとこうしてほしい」「もっとこうだったら買うのに」のような意見をもらいます。始めはそれ自体嬉しくて改善提案を出していたのですが、まったく採用されなかったり上司の時点ではねられたり、先輩からもこういうものだからあきらめろと言われました。
次第にまったく改善されないことで、ついに得意先も何も言わなくなり、売り上げだけが下がっていくのでした。
価格競争に巻き込まれている
魅力もなければ性能も低い、そんな状態が10年いや5年でも続いてみたらどうでしょう?
何も言わずにそっと買うのを辞めますよね、いや選択肢から外れていくという方が正しいでしょうか。そんなときに営業が取れる選択は2つです。
もちろん会社全体で戦略的に解決するのがベストな方法ではあります。
ここまで追い詰められた一営業ができることは…
この手段を僕はどちらも常習的に行うようになってました。
値下げした時点で契約できれば、価格以上の価値は提供できたと思うことができますが、値下げしてもダメ、とにかく頭を下げ懇願するのは最悪です。商材に値下げした価格以下の価値しかないこと証明しているものですから。
購入をお願いするのは1度ならば長年の付き合いや、貸し借りで承諾されるかもしれません。ですが根本的な問題を解決しなければ一生値下げとお願いのコンボをくり返すことになるのです。
業界的に将来性がない
会社の枠組みを超えて業界全体が衰退しているパターンです。これは上記三つに大きく関わる原因でもあります。
業界全体が衰退している中で個人で結果を出すのは至難の業です。それでも結果出せる人はきっとどこでもやっていけるでしょう。
問題はそうではない普通の人です。
いくら業界が原因だとしても転職時には達成できなかった数字だけが結果として残ります。
仮に達成できていたとしても、衰退している業界で積んだ経験の価値は高くはないのです。
個人で結果を出しにくい、出したとしてもそれが認められにくい。そんな環境にいつまでもしがみつく必要はあるのでしょうか?
1~4どれか一つでも当てはまれば危険です、連鎖的につながっていくのは時間の問題です。
ということで、ルート営業に限界を感じた瞬間5選でした。
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